骨折
5歳のとき
一度だけ骨折したことがある。
わたしが住んでいた家の周辺は
同年代の子どもが多く住んでいて、
近所の子どもが自然と集まって
一緒に遊ぶことが多かった。
その中でわたしは1番年下で
1番年上の子は10歳くらいで、
だいたいいつも10人くらいで
鬼ごっこやかくれんぼをしていた。
その日もみんなで
かくれんぼをしていた。
記憶は断片的だが、
わたしは確か
だれかの後を追って
階段を上ろうとしたときに
前に転んでしまった。
そして運悪く
手をついたのがちょうど
階段側面だった。
転んだ勢いもあり
右手首が一瞬、90°以上に
曲がってしまったのだ。
だが不思議と
泣きわめくことはなく、
「手がいたい」
とすぐに他の子達に伝え、
外から家のベランダに向かって
お母さんを呼び、
そのまま病院に行ったのだった。
しばらくギプスで過ごし、
すぐに治ったと思う。
当時のことはあまり覚えていないが、
母からの話を聞くと
わたしはどうやら昔から
痛みに強い子どもだったようだ。
そのときの骨折は
転倒した場所が悪かっただけで
骨には異常はなかった。
後遺症は全くなく
その後はスポーツもするくらいに
回復したのだった。